猛虎過江

2020.10.11 Sunday

第一次上海事変（日蓮宗僧侶襲撃事件）

第一次上海事変（1.28事變）は、1932年（昭和7年）1月28日から
3月3日にかけて戦われた、中華民国の上海共同租界周辺で
起きた日中両軍の軍事衝突である。

上海事変までのプロセス背景
上海市は、英、米、伊、及び大日本帝国の共同租界と仏国租界の
区分けがなされそれぞれ統治していた。
日本は、北四川路及び虹江方面に約2万7千の邦人が住んでいた。
疎開地は、居留民の警護を目的とする各国軍が駐留していた。
日本も海軍陸戦隊1000人を駐留させていた。
1932年、上海市郊外に、蔡廷鍇の率いる十九路軍３万人が現れ
3個師団（第60師、第61師、第78師）が駐留し始めた
日本は、防衛体制強化のため、上海に十数隻の艦隊を派遣した。
また、「住民の生命や財産を守るため」として、虹口に隣接する
中国領を必要に応じて占領する事をを明言していた。
中国側は、共同租界の日本軍の動きより、市街の外に野営する
十九路軍のほうが重要だった。

共同租界における緊張の高まり(日中両軍の軍事衝突への関連事件)
排日貨運動
国民党機関誌"民國日報"不敬記事事件
日本人僧侶襲撃事件
三友實業社襲撃事件

今回、日蓮宗の僧侶ということで、特に日本人僧侶襲撃事件について
記したいと思います。
昭和7年1月18日、午後4時頃、托鉢寒行で楊樹浦を回っていた
日蓮宗系の日本山妙法寺上海布教主任天崎啓昇と水上秀雄の僧侶2名と
信徒3名 (後藤芳平、黒岩浅次郎、藤村国吉)の計5名の日本人が
三友實業社タオル工場附近の馬玉山路で50～60名の中国人により
襲撃された。
水上が租界内の外国人経営病院に収容された後24日に死亡し、天崎が
全治6ヶ月、後藤が全治1年の重症を負った。
日本の外務省調書によると、300人以上が襲撃に参加したという。
１月18日、村井倉松上海総領事から呉鉄城上海市長に対し
僧侶殺害に関し四項目を要求

1. 市長による公式謝罪
2. 襲撃者の逮捕と処罰
3. 負傷者と死亡した僧侶の家族に対する治療費の保障と賠償
4. 全ての反日組織の即時解散

1月27日に最後通牒が出され、１月28日に日本側の要求が承認された。
1月26日には中国当局が戒厳令を布告した。
1月27日、日本を含む列国は協議を行い、共同租界内を列国で
分担して警備することを決めた。
1月28日、上海市参事会の非常事態宣言・戒厳令が公布された。

尚、上海公使館陸軍武官補田中隆吉は、1931年10月、板垣征四郎大佐に
列国の注意を逸らすため上海で事件を起こすよう依頼され、
”その計画に従って田中が、中国人を買収し僧侶を襲わせた”と
1956年になって上海事変の裏工作の事情を証言した。

1930年代の魔都上海、こんな歌が流行っていたみたい.....

上海灘............

了

不肖：驫鍾馗 | 臺湾・香港・中國雑記 | comments(0) | -

第一次上海事変（日蓮宗僧侶襲撃事件）

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