猛虎過江

2007.08.01 Wednesday

天涯歌女　２

Kind Attention : Kenneth sama
Thanks for your comments dated 2007/07/30

”馬路天使”は、１９３７年　明星影片公司謹製の
上海映画(１時間２０分)で悲しい映画です
この映画の挿入歌である”四季歌”と　”天涯歌女”　を周璇が
とても綺麗な声で歌っています
（ＹｏｕＴｕｂｅでは、馬路天使、上下の２編で視聴出来ました）

１９３０年代の上海は、日本が中国を着々と植民地化していく中で
中国東北から上海に売られてきた小雲（趙慧深）と小紅（周璇）姉妹
小紅は、琴弾きにつれられ茶館や居酒屋で歌を歌い、小雲は、
娼婦として生活している
小紅は、姉妹が住んでいる対面の家の部屋のラッパ吹きの
小平（魏鶴齢）となかよくなりやがて結婚するという
ラブロマンスであるが最後は、悲しい終わりになっています

可憐な小紅役の周璇の明るさとは対照的に、姉の小雲は、
とても悲しくて絶望的な状況から抜け出すことの出来ない
娼婦役をそこまで暗くて恐ろしいような表情をしなくても
いいと思われるほど鬼気迫る表情が印象的であった
白黒映画のせいかもしれないが

周璇が歌う”四季歌”の中でも抗日の訴えや姉妹の故郷を
懐かしむシーンが少しだけ歌の中で垣間見ることが出来るが
歌を聴いているだけでも涙を誘う映画です
（あまり中国語を理解できない小生であるが）
”天涯歌女”も周璇の綺麗な歌声とラッパ吹きの小平の
奏でる京胡（Kennethさん助言：二胡より高音がでる胡弓）の
音にうまくマッチして素晴しい音楽になっています

映画の全編に、1930年代のオールド上海の底辺に蠢きながら
暮らす人達の暗さが滲み出ています
しかしながらこの姉妹と同じような境遇の仲間達も互いに
庇い助けあって生きる人々の姿が活き活きと描かれています
この映画は、本当に名作だと思いました

周璇の生い立ちもこの馬路天使のストーリーのような
少女時期であったようです
ちなみに、香港の俳優、張栢芝が主演したドラマ　
天涯歌女・周璇は、１６歳から２８歳までの周璇の人生を
描いたマレーシヤ盤のＤＶＤもあるそうです
一度、機会があらば見てみたいです

了