猛虎過江

2006.07.01 Saturday

若者のはなし

地元の儲かっている企業でも、社員が一割で、外注の派遣社員が
大部分である。地元を代表する企業がこんな具合だからその
下請けは叩かれるだけ叩かれコストを下げ、なんとか資金繰りを
して従業員の給料を払っているのです。その下請けを叩けるだけ
叩いて得た利益が、優良企業の社員にそこそこいい給料と賞与等
を与えているのではないだろうか。

地元富士地区は製紙の町で、日本の紙生産の４０％（？）位は
生産していると聞いているが、その製紙に関連する企業は相当
あると思います。
昔、製紙関連のプラント製作会社にいた時、紙ができるまでに
関係する会社を列挙するとものすごい人たちが紙で食べている
ことがわかる。
まず土地、良質な水、紙の原料の供給・廃棄、機械の製作・設置、
保守、点検、製品に必要な電気、薬品、廃水処理、原料・製品の
梱包、輸送機械の消耗品の供給、設備投資等、そしてこれらの
生産に携わり働く人たちは、ものすごい数になるし有難い雇用を
生み出している。

私が、社会に出た頃は、今の時勢とは違って高度成長時期であり
見積を郵送して電話でやり取りして業務をゆったり仕事して
いたのが嘘のようです。私が思うに、なぜ、せせこましくなった
現在の有様は、勿論技術の進歩や経済状況が変化して当然の
状況かもしれない。

最初、外国との仕事では、AIR－MAILでやりとりし国際電報で
やりとりしていたのが、TELEXになりそして最初国内だけのFAXが
東南アジアから直接入るようになり、その後全世界と通信出来る
ようになった。国際電報が入ってきて、確認で英文を繰り返すに、
ASAPなんかはAMERICA-A SHANGHAI-S PEKIN-P・・と
いって反復した時が懐かしいです。

なんと言っても携帯電話の普及が仕事を更にせせこましくした。
私が、携帯を持ったのは、平成６年の頃で、その頃は、
ポケベルが主流であり、確か保険を付けて１５万円位して
アナログであった。当時、PTA連合会長をしていて県下のP連会長が
一同に介した時、携帯を持っていたのは、一割も満たなかった
人しか持っていなかったようです。

さて、本論から大分逸れてしまったが、製紙の町で雇用は確かに
あるが製紙などの交代勤務や３Kの仕事は、若者はあまり就職
しないようです。一度会社に入ってもすぐ辞めてしまう若者が多い。
まわりの会社を見渡すと派遣が入ってもすぐ辞めるので仕事を
教える人も、そんなに親身になって教えないと言うより教えている
余裕がない。企業の募集や新聞のチラシなど求人は派遣が多く
募集するところはすぐ辞めてしまう仕事環境であり企業も
人件費削減で、社員の退職金を払うのも大変で定年前に
リストラして系列の派遣会社へ就職させる大手企業が、こんな
具合だから、何処の会社も派遣社員だらけである。

派遣がないのは、公務員くらいでほとんどの若者が派遣社員の
職にしか就けないのが現状ではないかと思います。
私より少し上の団塊の世代が、早く退職しない限りその子供たちも
ちゃんとした会社に就職できないとは思いますが。
若者側にも難しい世の中で仕事していくことが大変になって
来ていることは確かであるが、若者自身にも少し問題があると
思います。
まず仕事に対する覇気が感じられない。指示命令がなければ
何もしない、自分で考えて仕事するといった積極性は微塵も
感じられない。仕事しても結果報告というものがない等等。

職場の職種、環境よっていろいろとは思いますが、社員より
仕事が出来、派遣社員と社員がかなり近い責任と職務を遂行して
給料がなぜ違うのか、勿論、社員の人もつらい時期を我慢して
勤めてきた自負があって派遣社員と当然違うのだと思うが
如何なもんか。

今の若者（２０代）を見ていると携帯電話がお友達、生の人間と
会話して付き合い人と人とのつながりにかかわるより自分の
世界にのめり込んでしまう。パソコンの世界のように気に入ら
なければ削除、ゴミ箱へといった短絡的行動の若者が増えて
きたように感じられます。それが、平均的若者の思考になって
きているのかな。

とにかく今後、明日の日本を背負っていく主役は、今の若者で
ある事には間違いがないと思いますが。頑張ってもらいたい。
富士地区には、マルハン、ABCといったパチンコ屋が異常に多く
あるように思いますが、若者の薄給をつぎ込ませ射幸心を煽る
パチンコ屋の盛況はとても誉めた状況ではないと思います。

だらだらと起承転結の展開もない雑文であるが、今日の夜は
毎週、楽しみにしている「チャングムの奇跡」の主人公のように
今の若者も目的をもって頑張ってもらいたい思う此の頃です。

了