猛虎過江

2016.11.22 Tuesday

満洲朝鮮列車時刻表！

amazonで、久しぶりに、満州朝鮮関係の本、３冊購入しました。
その中の一冊は、戦前の”満州朝鮮時刻表”という貴重な資料ですが、
新潮社が、２００９年に”復刻版”として発行されたものです。

戦前の主な外地の時刻表＆ガイドブック：
”満鮮支旅行案内”　明４２年（１９０９）、満鮮支旅行案内社（大連）
”鮮満鉄道旅行案内”大正９年（１９２０）、朝鮮旅行案内社（京城）
”汽車汽船鮮満旅行案内”大１１年(１９２２)満鮮支旅行案内社（釜山）

本家のジャパン・ツーリスト・ビューロー満州支社が、”満州支那汽車
時刻表”を発行するのは、昭和５年からであり、昭和８年に、朝鮮支社が
朝鮮総督府鉄道局編纂”汽車時間表”を発行している。
現在のJTB時刻表の前身、鉄道省編纂”汽車時間表”は、昭和１４年に
発行（A５判に縮小）されており、日本から外地への移動が活発で
あったのであろう。
満州朝鮮時刻表は、日本から、朝鮮を通過して、満州各地にいける
正に、移動・旅行する旅人の必携品であったのだろう。

此の時刻表には、有り難いことに、当時日本領であった、樺太と臺灣の
時刻表も個々に、付録として復刻されています。

樺太國有鐡道列車時刻表　　　　　（昭和１０年４月１５日改正）
臺灣総督府交通局鐡道部列車時刻表（昭和１１年２月　１日改正）

これから、時刻表を吟味！しながら眺めていきますが、時刻表の余白には、
各地の観光案内や、宣伝広告を眺めていると、SL”特急あじあ號”で、
支那大陸を一人旅しているような旅人のシーンが連想されます。
”俺も行くから君も行け　狭い日本にゃ住みあいた　海の彼方にゃ
支那がある　支那にゃ４億の民が待つ”のような、当時の時代背景が
連想されます。

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臺灣総督府交通局鐡道部列車時刻表（昭和１１年２月１日発行）
臺灣日日新報社、納、
基隆～新竹～臺北間のタイムテーブル（timetable）の右余白に、
主要都市の案内の紹介があり、情緒豊かなる言いまわして
記述されてますので記してきます。

基隆(日本から、訪臺するのに沖縄経由で、基隆に上陸する）
。。。。。

”今宵出船かお名残り惜しや、基隆の、闇に涙の雨が降る、
主は見えねど別れの唄にね、磯の千鳥もつれて泣く”
雨港基隆。珊瑚が名物、週に三回内地からのお客、週に三回
臺灣からのお客、岸壁にテープ、手巾が、喜びの、或いは
悲しみの形に交され振られる。
臺灣遊覧客の第一印象は、旭ヶ丘の緑と、紺碧の水にゆれる
舢叛の丹青の色とが痛いまでに目に泌むそれであらう。

・・遊覧順路・・

基隆驛ー高砂公園ー千人塚ー基隆神社ー水産會社ー水族館ー
クールぺー濱ー旭ヶ丘ー八尺門ー社寮島ー蕃社洞ー紅毛井ー
新岸壁ー仙洞窟基隆船梁會社ー基隆駅

臺北（基隆に上陸して、鐡路で臺北へ向かいます）。。。。。

島都一三線道路の緑の並木、舗装路を辿麗人のくるま。
澄み切った空に総督府の塔が、博物館の屋根が、龍山寺の
反り返った赤い甎が光る。
大稻○市場の喧騒、植物園の幽翠、榮町、本町通りの殷辰、
そして、夜！紅燈の一郭萬華に絃鼓(胡弓)の音が湧き、
幾十のカフェーにネオンサインが、ジャズの渦の中かがやく。
更に、臺灣情緒濃いかな夜楽しむには、蓬莱閣江山樓の卓に
楚々たる藝姐の酌を侍らすといふ術もある。

・・遊覧順路・・

臺北驛ー動物園前ー臺灣神社ー劒譚寺ー動物園ー臺北橋ー
大稻○市場ー龍山寺ー植物園・商品陳列館・建功神社ー薪公園ー
博物館ー臺北驛

鳥來（臺北から近くに観光といったら、北投か鳥來が定番です）。。。

蕃社見物と温泉。一挙兩得の勝地である。更に食膳の鮎の味に
至っては妙の妙たるを失はぬ。臺北から日帰りと云ふ便利さに
遊覧客の杖が続く。
良質は透明無色臭味なく蛙酸、カルシウム、ナトリウムを
多量に含有する炭酸泉で温度約六〇度、皮膚病誠に殊に
遅純創傷、潰瘍に、又お丙用としては消化不良、慢性腸カタル、
腺病等に効がある。

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思い立ったら吉日、そうだ、特急あじあ號に乗って満州へ行こう！

新年、如月、我想去上海灘、蘇州虎丘、嗎！

了

不肖：驫鍾馗 | 臺湾・香港・中國雑記 | comments(0) | -

満洲朝鮮列車時刻表！

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